お盆とは、正しくは盂蘭盆といい、『仏説盂蘭盆経』から起こったもの。ウラボンという梵語は「倒懸(倒さに懸かれる者)」ということですから、『盂蘭盆経』とは、倒さに懸かれる者を救う方法を教えた経ということです。
では、倒さに懸かって苦しむ者とはだれのことでしょうか。迷いを迷いと思えず、真実を真実と信じられない者は、仏眼からごらんになると、皆、倒さに懸かって苦しんでいるのです。地位や財産、妻子が有れば有ることで悩み、無い者はそれらを求めてなお苦しむ。どこに真実の幸せを喜んでいる人があるでしょうか。弥陀の本願を知らず、すべての考えが顛倒しているから、ちまたには嘆きの声が満ちています。
お盆は、亡き祖先を救う日ではなく、今現に倒さに懸かって飢え、渇き、苦しみ続けて未来永劫流転せんとしているわが身自身を救う「聞法精進の日」であることを忘れてはなりません。